◆◆精進とは◆◆
仏教においては手間暇を惜しまず、結果を期待せずに力を尽くすことを意味します。神道においては、外の穢(けが)れから身を断ち、特定の空間に籠(こも)ることを指します。
◆◆出羽三山の精進料理の特徴◆◆
◆◆出羽三山の精進料理につけられている呼び名◆◆
出羽三山精進料理の品々には、出羽三山信仰に所縁ある場所に呼び名がついています。(修験者の密教的な隠語の世界からきています。)出羽三山を駈けようとする人は、信仰と聖地をあらわす料理の説明を受けて一品一品を口に運びます。出羽三山の精進料理を食すことで聖なる山々から贈られた“生命の源泉”そのものを味わうことになるのです。
本膳 出羽の白山島 (ごま豆腐)・・開祖の蜂子皇子がこの地に着かれた由良海岸の
島のこと
月山の掛小屋 (月山たけのこの油揚げ煮)
羽黒修験の柴(さい)灯(とう)(わらびのしょうがかけ)
西普陀落(にしふだらく) (うどのごま味噌和え)
獅子子(ししご)の滝 (なめこ、豆腐の汁)
二の膳 聖山の春秋 (月山たけのこ、しいたけの天ぷら)
・・蜂子皇子が苫屋をつくり修行を積んだところが聖山
祓川(はらいかわ)のかけ橋 (ふきの油炒り)
御峰の吹雪 (炒りなめこ、豆腐炒り)
由良の湊揚げ (すり豆腐、浅草のり、しょうが)
月山の焼山 (たけのり三杯酢)
◆◆大笈酒◆◆
羽黒山では毎年大みそかから元旦にかけて「松例祭」が行われます。この祭りは二人の「松聖(まつひじり)」と呼ばれる山伏が100日間修行をし、天下泰平・国土安穏・五穀豊穣・万民快楽を祈ります。修行満願の日が大みそかの松例祭にあたります。「松聖」に選ばれることは羽黒山伏最高の名誉でこの100日間修行と松例祭を羽黒山伏の「冬の峰」と呼んでいます。この「冬の峰」中に大正10年頃まで行われていたのが、「大笈酒」という神事です。この神事では、松聖が祭りを催行する羽黒山の重役を招待し「日本一」と呼ばれる品数の精進料理が振る舞われたと伝えられます。料理に使われた材料は123種類、品数は25種類と言われ、その材料調達には数年前から準備をし、経費がかかるので破産する家がでるほどだったそうです。今となっては「幻の精進料理」となっています。
◆◆海外での普及活動◆◆
◆◆新しい精進料理◆◆
2013年6月に伝統的な味付けとは異なる新たな精進料理をと「三日月膳」と「涼風膳」を発表しました。「涼しさやほの三日月の羽黒山 芭蕉」が由来となっています。 とんぶり味噌のせ、いたどりとこしあぶらの甘酢、うどのばんけ味噌和え、蕨の山芋掛け、赤こごみのからし醤油、季節の山菜天二種類の胡麻豆腐の餡掛(深山刺草、百合根添え) 枝豆がんもどきの煮物、赤みずの炒り煮 うるいのてんぷら(月山筍、たらの芽、こごみ、こしあぶら) 斎館伊藤料理長のお話から もともと、山伏の自給自足の生活から発展した出羽三山の精進料理。お山で採れたものは、お山の近くで食べる。そしてお山のエネルギーをもらって帰って欲しい。 この「三日月膳」と「涼風膳」は斎館にて予約して食べることができます。
◆◆精進料理プロジェクト◆◆
参考文献
羽黒町観光協会 出羽三山精進料理パンフレット
農文協 日本の食生活全集 聞き書 山形の食事
紀伊国屋書店 食の文学館第3号 特集 庄内路 文学と味覚の旅
リンク
出羽三山神社(斎館)http://www.dewasanzan.jp/
羽黒町観光協会 http://hagurokanko.jp/
Cradle[クレードル]出羽庄内地域文化情報誌
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